Apr 1, 2009

pen, 1 Apr 2009

特集はアールヌーヴォー建築。冒頭の「アールヌーヴォー建築とは何か」というテキストと、その原点となったベルギーの建築家、ヴィクトール・オルタやポール・アンカールについて書いた。ただし特集監修者の橋本文隆さんにも細かく手を入れてもらっている。

アールヌーヴォーは19世紀末の前衛であって、このムーブメントをきっかけに建築は古典主義と決別し、20世紀モダニズムが生まれたとという見方がある。装飾に動植物の美を引用したことがダーウィンの進化論を結びついていたり、複雑な装飾は鉄とガラスを扱う技術革新の賜物だったりする。一方、有機的な曲線を積極的に取り入れる現在の建築のトレンドに、アールヌーヴォーとの共通性を見て取ることもできる。

写真はオットー・ワーグナーのマジョリカハウス。ある年に寄ったウィーンで、時間を持て余して観に行った。

AXIS, Apr 2009


特集は「触覚、聴覚、嗅覚、味覚のデザイン最前線」。触覚の研究者の佐野明人さんやテクタイル展の主宰者のひとりでもある筧康明さんらに取材したページと、デジタル一眼カメラのシャッター音などを追求するソニーのモノ造り本部技術開発室に取材するページで、テキストを担当した。

人間は触覚についてとても敏感だが、普段はあまり意識することがない。数値化も視覚化も難しい。感覚の研究者にとっても未知の領域が大きいらしい。

デジタル一眼カメラは、シャッター音を工夫して付加価値を高めるというよりも、カメラの機能を無駄なく高めることで必然的にシャッター音をよくしようという姿勢が印象的だった。つまりは音の機能美ということになる。

表紙インタビューはtakramの田川欣哉さん。彼らがかかわった2009年ミラノサローネの東芝の展示も、触覚をデザインに取り入れた展示ゆえに印象に残った。水を満たした電球型のLED照明が、表面に触れると心臓のように鼓動を始める。写真はその時のもの。

Mar 15, 2009

pen, 15 Mar 2009

連載「デザインは楽しい。」で、木村裕治さんがアートディレクターを務める朝日新聞GLOBEを取り上げることができた。GLOBEは全国で配られるものながら、これまでの全国紙の新聞のデザインとは体裁が大きく異なる。木村さんへの取材を通して、そのコンセプトやデザインのプロセスを聞いた。どんな新聞のデザインが理想なのかという質問への答えと理由がよかった。号外が好き、とのこと。

Feb 1, 2009

デザインの現場 Feb 2009


「新鋭デザイナー50人」という特集でWOWの取材記事を書いた。彼らの作品は映像やメディアアートなので、それを紙媒体がわかりやすく伝えるのは難しいけれど、この特集がWOWとtakram(やはり動きを伴ったインタラクティブなデザインが多い)を大きく取り上げたことは、そんなテーマへの編集側からのチャレンジだったと思う。

同特集のプロダクト編では、3人のメンバーのあり方が独特な参/MILEと、MUJI AWARDで金賞を受けているNIIMIさんに取材。

定例のページProductで取り上げたのは、2008年秋のデザインイベントで話題になった清水久和/DEROLL Commissions Series 2 : 日本史の髷貯金箱と井伊直弼(大)。清水さんとプロデューサーの岡田栄造さんに取材して、ほぼそのコメントと事実関係で記事を構成した。

Dec 10, 2008

Casa BRUTUS, Dec 2008


カーサブルータスの10周年記念号で、1998年から2008年までの優れたデザインを100点選ぶ「ベスト・デザイン事典」。アイテムの選定にかかわりつつ、一部アイテムについてテキストを担当。フィリップ・スタルク、ハイメ・アジョン、iPod、ダッチデザイン、エコデザイン、アート&デザイン、コンスタンティン・グルチッチの椅子MYTOなどについて書いた。また特集の冒頭では、10年間のデザイン・トピックを集めた年表を作成。

写真は2008年のサローネでのMYTOの展示。製作プロセスをそのままエキシビションにしていた。

この号の後半では、秋のデザインイベントの速報記事でも一部テキストを担当している。

Dec 1, 2008

装苑 Dec 2008


コラムのページSO-EN JAMの洋書書評のコーナーでAndrea Diefenbach「AIDS in Odessa」とモランディの作品集「Giorgio Morandi: Works, Writings, Interviews」を紹介した。

この書評は定例で2、3年ほど続いたけれど、書店での洋書の流通が少なくなったことなどもあり、この月を最後にさせてもらった。本選びも内容も自由で、気に入っていたコーナーだったので、とても残念ではあったけれど。

「AIDS in Odessa」は、ウクライナのオデッサに多いエイズ患者をテーマにした写真集で、重い作品も多いが、本としてとてもいい。その色のトーンや雰囲気に、モランディの絵のイメージを重ねた。

Casa BRUTUS特別編集 SORI YANAGI A DESIGNER 新装版 Dec 2008


カーサブルータスの柳宗理特集号が最初に出たのは2001年の初めで、自分が最初に買ったカーサでもあった。2003年に出た柳宗理ムックで大幅に記事が追加され、それがさらにアップデートされて発行されたのがこの特別編集号。新たに追加されたページのテキストを十数ページにわたり書いた。

まずバタフライ・スツール、カトラリー、エレファント・スツールという3点の代表作について。できるだけ多くの資料に目を通し、実際に触れたり使ったりした上で、限られた字数にまとめた感じ。写真のカトラリーはこの時に購入。

深澤直人さんとともに柳が手がけた横浜の公共デザインを訪ねるページと、深澤さんが柳のプロダクトデザインについて語るページも担当している。とても的確で示唆に富んだ話を聞き、深澤さんと柳の感覚の繋がりを感じた。