Mar 10, 2011

Casa BRUTUS, Mar 2011

キッチン特集で、長年にわたりやかんを集めている粟辻早重さんに取材。アンティ・ヌルメスニエミやPICQUOTのものもあるが、大半は無名のもの。骨董屋の隅にあったソ連製のやかんから、大徳寺聚光院で使われていたアルミのやかんまで、それぞれに豊富なエピソードがある。田中一光さんや喜多俊之さんが話の中に自然に登場するのは粟辻さんならでは。ほかに熊谷隆志さんの自宅のキッチンのページや、建築家がデザインしたキッチンツールのページを担当している。

Mar 1, 2011

装苑 Mar 2011

2010年秋のデザインウィークでのトピックを中心に、2010年代のデザインの新しい流れを読み解こうとする「デザインの新定義」と題した特集で、いくつかのテキストを担当。デザインウィークの総論的なページではPieke Bergmans、Kwangho Lee、Max lamb、Nacho Carbonell、角田陽太といったこの年のデザインイベントの参加デザイナーの新作を紹介し、手作業を重視しながら、ものと人との関係性を革新しようとする動きについて触れた。

またナガオカケンメイさんへのインタビューでは、自身の一連の活動が、ものにフォーカスするよりも、社会への問題意識から発しているという姿勢について聞いた。とても共感できる話だった。

上記総論でも引用したけれど、この年の11月、スイスのデザインに関するダニエル・フライターグのセミナーで「あらゆるデザインはサスティナビリティを前提とすべきであり、商品としての完成度よりも、社会や環境における完成度を優先すべきだ」という発言があった。 この方向性は2010年に21_21 design siteで開催されたポストフォッシル展とかなり共通していて、個人的にもそれがデザインの進む道なのではと思う。

なおこの特集、自分が書いたところ以外のページもとても充実していて、編集力の高さに圧倒される。この特集で予見されたことが、すでにいろいろと現実になってきているとも思う。

写真は誌面でも取り上げたNathalie Lahdenmäkiの器。この年のデザインウィークで気に入ったもののひとつ。