Dec 7, 2011

ELLE DECOR, Dec 2011

巻頭のインタビューのページで、チリの建築家、アレハンドロ・アラベナの原稿を担当。ギャラリー間で開催された「the force in architecture」のことを中心に、彼の考え方を聞いた。エキシビションの主題となった、さまざまな動的な力によって形作られる建築が、彼の理想とするもの。この考え方は、固定化した力の静的なバランスの上につくられる快適さや便利さが脆いことをふまえている。代表作のひとつになったチェアレスについては、hhstyle.comのウェブサイト用に別にインタビューした。

Nov 21, 2011

hhstyle.com catalogue, 2011

hhstyle.comのカタログでテキストを担当。以前のカタログのテキストを流用した部分もあるが、新たに各アイテムごとのキャプションを追加し、アルネ・ヤコブセンについての説明文も入れている。

写真はしばらく前に大阪のhhstyle.comで購入したMaarten Van Severenのテーブルの天板。

Nov 15, 2011

pen, Nov 15, 2011

この年の6月、アートバーゼルの際にヴィトラキャンパスでのプレビューを見ていたProuve RAWについて書いた。定番的な名作家具のカラーリングや仕様を変えた企画には感心しないものもあるけれど、これはかなり成功した一例では。通常のプルーヴェの復刻品以上に、本来のプルーヴェらしさが出ている。

また巻頭の定例コラムではcraft_oneが扱うAtelier NLのテーブルウェア「clay service」などを紹介。イッセイミヤケウォッチプロジェクトの別冊付録でも、取材に基づいて開発プロセスなどについて書いている。

写真はヴィトラキャンパスでの展示から。


Oct 7, 2011

ELLE DECOR, Oct 2011

特集は「イタリアに夢中」。建築家の石上純也さんにインタビューして、イタリアのLIVING DIVANIから発表された家具や、この国のデザインについて感じていることを語ってもらった。ジオ・ポンティのスーパーレジェーラは憧れの一脚だそう。石上さんはヴェネツィア・ビエンナーレでの実績もあり、以前にpenの「好きな建築」特集でフィレンツェのサント・スピリト教会を挙げていたりと、イタリアとの結びつきは少なくない。写真はこの年のサローネでの展示から、LIVING DIVANIのgarden plate。

Oct 4, 2011

「モチハコブカタチ」展 図録

東京藝術大学美術館で10月に開催された「モチハコブカタチ—かばんのトップメーカー、エースのデザイン」展の図録で一部テキストを担当。旅、仕事、女性、若者、家族の5つのテーマについて、それぞれエースの歴代の代表的なカバンを関連させて、機能性や背景などを解説する構成になっている。

Oct 1, 2011

pen, Oct 01, 2011

写真を特集した号で、荒木経惟さんを取材。直後に台北での大規模な個展で発表された連作「BLACK FRAME」(本号の表紙にも使われた)のことや、インスタントフィルムの魅力などについて、新宿のバーでじっくり話を聞くことができた。震災後の荒木さんの思いがインスタント写真にどう表れたかなど、とても興味深く面白い。ご本人のキャラクターもさすがで、ソットサスと気が合ったという逸話にあらためて頷けた。この取材の前に見た荒木さんの個展「彼岸」もすばらしく、同名の作品集に思わずサインをしてもらう。取材の相手からサインをもらったのは、後にも先にもこの時くらい。

AXIS, Oct 2011

特集は「ツーリズムにデザイン」。隈研吾設計の浅草文化観光センター、東京藝術大学などが主導しているGTS観光アートプロジェクト、エイトブランディングデザインがかかわる釜浅商店の事例を関連させて、各々への取材を通して、墨田・台東エリアのポテンシャルを一連のものとして引き出そうとする動きについて書いた。スカイツリー周辺の年間の観光客数は2000万人と見込まれ、浅草の観光客も年間推計約2000万人。それを繋げることができるかどうか。

写真はその後に完成したスカイツリーからの隅田川と浅草方面。


Sep 20, 2011

GQ JAPAN, Sep 2011

通巻100号記念号で「GQ MENが知っておくべき100の最新情報」という特集。建築のページで長坂常、永山祐子、吉村靖孝の3人の仕事をリノベーションをテーマに紹介。またデザインのページでヘラ・ヨンゲリウス、ショルテン&バーイングス、ハイメ・アジョンの3人の最近の作風を色をテーマに紹介した。写真はロッテルダムで開催されたヘラ・ヨンゲリウスの個展「Misfits」から、誌面でも紹介したコレクターズ・エディションのベース。

Aug 15, 2011

pen, Aug 15, 2011

イスラムを特集した号で、イスラム圏のアートについてのページを担当。イスラムの芸術は、戒律に基づいて人や動物を描かず、装飾を根本とし、精緻な幾何模様や文字模様を多用したものが重んじられてきた。また東西の貿易の要所だったことから、絨毯などの工芸品にも名作が多い。ということで西洋や東洋と対照的な性格が随所にある。この内容は、後に出版された書籍版にも再録されている。

巻頭コラムのDESIGN LOGでは清水久和さんのロッテルダムでの個展などを取り上げた。また超仕事人という枠ではジャスパー・モリソンにヴィトラの椅子HALについてインタビュー。デザインのために大切なのは「落ち着いて物事を考えられる雰囲気や環境をつくること」とのこと。写真はロンドンの彼のオフィスに併設されたjasper morrison shop。

Aug 1, 2011

商店建築 連載「空間コラボ」

インテリアデザイナーにとってのコラボレーターになるクリエイターや、その作品や活動がインテリアデザインのためのインスピレーションを与えてくれるクリエイターに取材した1ページ連載。アーティストの荒神明香さんはじめ、この連載をきっかけに会って、印象深い話が聞けたことも多かった。2010年1月号から2011年8月号まで。取り上げたクリエイターは下記の通り。

森美穂子、キム・ソンヘ、西野嘉章(東京大学総合研究博物館)、白田仁(NEO GREEN)、西舘朋央、原田祐馬、白鳥浩子、スサイタカコ、antos、辻野剛(fresco)、山崎亮、堀内太郎、梶原加奈子、なかむらしゅうへい、西條賢、NON-GRID、ENZO、BCXSY、AIR FRAME、荒神明香。

写真は2012年の「呼吸する環礁」 展で展示された荒神さんの作品。

商店建築 Aug 2012

巻頭のコラムコーナー「NEWS」で、4ページにわたりこの年のDESIGN MIAMI/BASELを紹介。デザインマイアミのディレクターにMarianne Goeblが就いたことで起こった変化と、リミテッドエディション市場の成熟や、それに対応したデザイナーの表現性の広がりなどについて書いている。取り上げたのはPierre Charpin(Galerie Kreo)、Formafantasma(Gallery Libby Sellers)、デザイナー・オブ・ザ・フューチャーのMischer'Traxlerほか。

写真は会場内にオープンしたベルリンの書店、do you read me?の様子。

Jul 10, 2011

Casa BRUTUS, Jul 2011

「理想の暮らしが買える店」という特集で、PLAY MOUNTAINについての一連のテキストを担当。イームズや西海岸といったキーワードのページや、オーナーの中原さんや元スタッフに取材したページなどで構成されている。特に、PLAY MOUNTAINと関係の深い国内外の作家やデザイナーのコメントを集めたページでは、それぞれに深い思いが込められていて、この店と周辺のコミュニティがたくさんの人をリアルに惹きつけてていることに圧倒された。

他に、また違ったスタンスで常に新しいものに着目して結果に繋げている伊勢丹新宿店リビングフロアについても書いた。

エースホテルがパームスプリングスやニューヨークにできた2009年、伊勢丹はそのアイテムをクリスマスに合わせた催事ですでに取り上げている。写真は、その催事の最中に泊まったニューヨークのエースホテルのラウンジにて。それなりに先端の場所だと思い込んでチェックインした時、「東京でこんなイベントをしてるんだけど行ってみて」と親切に教えてもらいショックを受けた思い出も。


Jun 15, 2011

pen, Jun 15, 2011

特集は「未来へつなぐ、デザイン」。デザイナーなどへの取材を通して、イギリスでデザイン・オブ・ザ・イヤーに選ばれたプルーメン、イソップのインテリアデザイン、マジスやエスタブリッシュト&サンズからプロダクトを発表したMartino Gamper、ヨーロッパでも知名度を増してきた長坂常さんの記事を担当。サローネの速報記事ではBenjamin Hubertについて軽く書いている。

巻頭の定例コラムDESIGN LOGでは、直前のサローネのサテリテで見て気に入ったシンガポールのSTUDIO JUJUを紹介。会場で日本のデザインについて尋ねると「深澤直人は神様のような存在」と話していた。

写真は自宅で使用中のマルティノ・ガンパーのアーノルドスツール。

Jun 10, 2011

Casa BRUTUS, Jun 2011

「美しい収納術」という特集で、箱をテーマにしたページのうち、raregemの西條賢さん、tamiserの吉田昌太郎さん、Roundaboutの小林和人さんを取材。紹介されている箱のほとんどは、紙や木でできた質素な、または使い古された箱で、普通に見ると高い価値を持つものではないけれど、それぞれの理由で他に代えがたいものになっている。他には八木保さんやフランク・リーダーも取り上げられている。

Jun 1, 2011

商店建築 Jun 2011

ミラノサローネ〜ミラノデザインウィークのリポート記事で、キャプションの一部と総論的なテキストを担当。東北の震災の直後であり、年初から中東で反体制運動が盛んになっていたりと、数年来の経済不安は別にしても社会的意識が高まらざるをえない中でのサローネだった気がする。

ベイルートのCarwan gallery、ドイツのkkaarrlls、シュテファン・ディーツのChassisのインスタレーション、オランダのDesign Academy Eindhovenなど忘れらないエキシビションは多かった。写真はCarwan galleryで展示されていたLindsey Adelman。

AXIS, Jun 2011

特集は「デザインのブレイクスルー」。ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展で金獅子賞を受けた石上純也さんにインタビューして、その創作のテーマとなる自然との関係性やスケール、建築という領域を超えることなどについて聞いた。

また同特集で、京都造形芸術大学の「美術館大学構想」について、大学院長の浅田彰さんやキュレーターの長谷川祐子さんらの参加したトークセッションなどをもとにプロジェクトの概要を紹介。取材時に開催していた卒業制作展の様子も掲載した。写真はその卒展で印象的だった細川華子さんの作品。

Apr 30, 2011

excite.ism, ミラノサローネ2011レポート

http://media.excite.co.jp/ism/156/

この年のミラノサローネについてのリポート記事。主要ブランドを紹介しつつ、自分のピックアップしたブランドやデザイナーについてもいくつか取り上げることができた。

写真は記事でも取り上げているSpottiでのStefan Diez/Chassisのエキシビションから。


Apr 1, 2011

pen, Apr 01, 2011

特集は「世界でいちばん好きな建築」。安藤忠雄さんや伊東豊雄さんをはじめ、第一線にいる日本の20組の建築家がそれぞれに好きな建築について語る豪華な内容。その中で永山祐子さん、佐藤オオキさん、大西麻貴さんのページを担当した。3人が好きだという建築は、それぞれデンマークのルイジアナ現代美術館、三徳山投入堂、フランスのル・トロネ修道院。投入堂に日本人らしいキャクター性を見出すという佐藤さんの話や、小説「粗い石」と結びついた大西さんの話が印象深かった。また永山さんの挙げたルイジアナは、自分でも唯一行ったことのある建物だけれど気づいていなかったことが多くためになる。

写真はルイジアナ美術館の最寄り駅、Humlebaek‎駅で2011年秋に撮ったもの。

Mar 10, 2011

Casa BRUTUS, Mar 2011

キッチン特集で、長年にわたりやかんを集めている粟辻早重さんに取材。アンティ・ヌルメスニエミやPICQUOTのものもあるが、大半は無名のもの。骨董屋の隅にあったソ連製のやかんから、大徳寺聚光院で使われていたアルミのやかんまで、それぞれに豊富なエピソードがある。田中一光さんや喜多俊之さんが話の中に自然に登場するのは粟辻さんならでは。ほかに熊谷隆志さんの自宅のキッチンのページや、建築家がデザインしたキッチンツールのページを担当している。

Mar 1, 2011

装苑 Mar 2011

2010年秋のデザインウィークでのトピックを中心に、2010年代のデザインの新しい流れを読み解こうとする「デザインの新定義」と題した特集で、いくつかのテキストを担当。デザインウィークの総論的なページではPieke Bergmans、Kwangho Lee、Max lamb、Nacho Carbonell、角田陽太といったこの年のデザインイベントの参加デザイナーの新作を紹介し、手作業を重視しながら、ものと人との関係性を革新しようとする動きについて触れた。

またナガオカケンメイさんへのインタビューでは、自身の一連の活動が、ものにフォーカスするよりも、社会への問題意識から発しているという姿勢について聞いた。とても共感できる話だった。

上記総論でも引用したけれど、この年の11月、スイスのデザインに関するダニエル・フライターグのセミナーで「あらゆるデザインはサスティナビリティを前提とすべきであり、商品としての完成度よりも、社会や環境における完成度を優先すべきだ」という発言があった。 この方向性は2010年に21_21 design siteで開催されたポストフォッシル展とかなり共通していて、個人的にもそれがデザインの進む道なのではと思う。

なおこの特集、自分が書いたところ以外のページもとても充実していて、編集力の高さに圧倒される。この特集で予見されたことが、すでにいろいろと現実になってきているとも思う。

写真は誌面でも取り上げたNathalie Lahdenmäkiの器。この年のデザインウィークで気に入ったもののひとつ。

Feb 15, 2011

BRUTUS, Feb 15, 2011

「座るブルータス 居住空間学・椅子編」という特集で「ゼロ年代の椅子を読む。」というページの椅子のセレクトとテキストを担当。取り上げたのは下記。「椅子に求められるデザイン上の課題は前世紀中に解決された」という前提の上で、2000年代にデザインされた椅子のいくつかのテイストや方向性を象徴するようなアイテムを選んでいる。

Air Chiar/ 2000, Jasper Morrison
Miura/ 2005, Konstantin Grcic
Deja-vu/ 2006, Naoto Fukasawa
Houdini/ 2009, Stefan Diez
NAP Chair/ 2009, Casper Salto
Outline/ 2001, Jean-Marie Massaud
Louis Ghost/ 2002, Philippe Starck
Spring/ 2003, Ronan & Erwan Bouroullec
Prive/ 2007, Phillipe Starck
Flo/ 2004, Patricia Urquiola
Polder/ 2005, Hella Jongerius
Crochet/ 2007, Marcel Wanders
100 Chairs/ 2007, Martino Gamper
Smoke/ 2002, Maarten Baas
Favela/ 2003, Campana Brothers
Puppy/ 2004, Eero Aarnio
Stag Stool/ 2008, Rick Owens
Gli Amici/ 2009, Gaetano Pesce
Drift/ 2006, Future Systems
Moon/ 2007, Zaha Hadid
Confluence/ 2009, Philippe Nigro
Chairless/ 2010, Alejandro Aravena

写真はリック・オウエンスの家具、奥に見えるのがStag Stool。2010年のDESIGN MIAMI/ BASELで。

Feb 1, 2011

AXIS, Feb 2011

特集は「デザイン部長に聞く、ジャパニーズ・インハウスデザインの行方」。ソニークリエイティブセンターのセンター長(当時)、佐藤一雅さんに話を聞いた。デジタル化が進むことで従来の機能美という概念が通用しなくなった状況、新しいライフスタイルの提案を新興市場に対して行うというテーマ、近年のアップルやサムスンの台頭などについて、率直に意見を尋ねている。

Jan 10, 2011

Casa BRUTUS, Jan 2011

カーサ年末年始恒例のデザイン特集号で、この号では世界の目利きが「欲しいデザイン」を選んでいる。ナガオカケンメイさん、established & sonsのセバスチャン・ロング、apartamentoのマルコ&オマー、クラスカの大熊健郎さん、タカ・イシイギャラリーの石井孝之さん、ハイメ・アジョンらに取材。他のページでは、MerciやRossana Orlandiのセレクト、ジャスパー・モリソンやピート・ヘイン・イークのショップ、注目のデザイナーとしてナチョ・カーボネルについてなど、盛りだくさん。「本気で欲しい」という視点から、2011年のデザイントレンドを浮かび上がらせる構成になっている。

写真は2010年6月のデザインマイアミ/バーゼルのナチョ・カーボネル、オルランディのブースにて。